学校の歯科検診でC1と書かれたら?保護者が知るべきこと

春や秋に実施される学校の歯科検診。検診後に配布される「結果のお知らせ」に「C1」や「C2」などの記号が書かれていて、「これは虫歯?」「すぐ歯医者に行った方がいいの?」と心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、「C1ってどんな状態?」「治療が必要なの?」「放っておくとどうなる?」といった疑問にお答えしながら、保護者の方が知っておくべきポイントを解説します。
C1とは?学校検診で使われる虫歯の分類
学校検診では、虫歯の進行度を示すために以下のような分類が使われます:
- C0:初期の虫歯(白濁)
→まだ穴は開いていない状態。経過観察やフッ素塗布などで進行を抑えます。 - C1:エナメル質の虫歯(浅い虫歯)
→歯の表面に小さな穴が開いている状態。痛みは少なく、自覚症状もほとんどありません。 - C2:象牙質まで進行した虫歯
→冷たいものがしみる、黒ずんで見えるなどの症状が出やすい状態。 - C3:神経まで達した虫歯
→強い痛みが出ている状態。根管治療(神経を取る治療)が必要になることも。 - C4:歯の根だけが残った状態
→抜歯が必要なことが多い段階。
C1はすぐ治療が必要?
C1はまだごく浅い虫歯です。穴があいているとはいえ、進行はゆっくりで、フッ素塗布やブラッシングの改善で進行を食い止められるケースもあります。
ただし、学校検診はあくまで「スクリーニング検査(ふるい分け)」です。実際には虫歯ではなかったり、逆にC2以上に進行していたりすることもあります。「C1」と書かれていたら、なるべく早めに歯科医院で精密検査を受けることが大切です。
歯科医院での対応
実際に歯科医院で診察を受けた際の対応は、以下のようになります:
- 虫歯が非常に浅く、進行がないと判断された場合
→削らずにフッ素塗布や経過観察を行います。 - 少し進行していると判断された場合
→虫歯部分を削ってレジン(歯科用プラスチック)で詰める処置を行います。 - 本人の清掃状態が悪い場合や複数の虫歯がある場合
→ブラッシング指導や生活習慣の見直しを行います。
放置するとどうなる?
「C1だから大丈夫」「痛みもないからそのままでいい」と放置してしまうと、虫歯が徐々に進行してしまいます。特に乳歯や生えたばかりの永久歯はエナメル質が薄く、進行が早いため、半年や1年放置するとC2~C3になってしまう可能性があります。
虫歯が進むと、治療にかかる費用や回数、子どもの負担も増えるため、早期の対応が重要です。
お子さんに伝えるときの注意点
お子さんに「虫歯があるみたいだよ」と伝える際は、責める口調にならないよう注意しましょう。子どもにとっては「虫歯=悪いことをした」というイメージになりがちですが、大切なのは**「早く見つけて治せばいいんだよ」と安心させること**です。
定期的な歯科受診で虫歯ゼロを目指そう
学校検診は年1回、多くても2回です。しかし、虫歯の進行は数ヶ月単位で進むこともあります。理想は3ヶ月〜半年に1回の歯科医院での定期検診です。虫歯の早期発見はもちろん、歯並びのチェックやフッ素塗布、クリーニングなど、トータルでお口の健康を守ることができます。
まとめ
「C1」と聞くと焦ってしまうかもしれませんが、早めに歯科医院でチェックすれば、ほとんどの場合は小さな処置や経過観察で済みます。
放置せず、前向きに受診し、虫歯の芽を早期に摘んであげましょう。